吉本がタレントと契約書を交わさない理由とは?メリット・デメリット

吉本興業のタレントらが所属事務所を通さずに振り込め詐欺グループの忘年会に参加していた
「闇営業」問題で、雨上がり決死隊の宮迫博之さんは100万円、ロンドンブーツ1号2号の亮さんは50万円受け取っていたことが12日、分かった。




共同確認書って何?

今回の問題ではタレントが会社を通さず直接仕事を受け、吉本興業は依頼主を把握していなかった。
これを受けて吉本興業は、タレントが依頼された仕事を全て会社に報告することなどを定めた
「共同確認書」を新たに作成し、7月中に所属する約6千人の全タレントに署名させるという。

今回の騒動を受けてスポンサーが降板した場合、TV局に対して違約金損害賠償の支払義務が発生することは十分あり得ると報道がありました。
通常不祥事が起きた場合、まず芸能事務所がテレビ局に対して違約金を支払い、その後、芸能事務所がタレントに対して請求していくという流れになるのが一般的なようです。

ほとんどの場合、所属事務所とタレントは契約書を交わしており、契約書にはタレントの禁止条項が明記されている。
これらの禁止条項に違反し損害が生じた場合には、タレント本人に損害賠償を請求する旨が明記されている。

しかし、吉本興業とタレントの間には契約書は交わされていないという。
この場合、吉本興業はタレントに対して損害賠償請求をすることが出来るのか?
そして何故吉本興業はタレントと契約書を交わさないのか?

吉本興業が所属タレントと契約書を交わさない理由

  • 吉本興業には6000人以上のタレントがいるので今から契約書を交わすのは現実的では無い
  • 契約書が無い方が都合の良い芸人が多い
  • 今まで契約書が無くても成立してきた歴史がある

などの理由があるようです。
要は面倒臭いということに集約される気がします。
「他にも山ほど仕事あんねん!今更契約書なんか作ってられるか!」
ということなのでしょうか?

素人考えだと、一度雛形を作ってしまえばあとは微調整すれば良いのではないかと思ってしまうのですが。
これほどの大事件になっても契約書を作らないのなら、一生作らないのでは無いかと思えてきます。
事実、所属タレントの千原ジュニアは「今後、契約書が交わされることも絶対にない」と断言しているそうです。

その理由として、数年前に吉本興業が外資系企業に買収される話があったが、芸人と会社の間に契約書が交わされていないことに先方が驚き、買収が回避されたことがあったとか。

ただ、この「契約書が無い」という状況は、何も吉本興業に限ったことでは無いようだ。

※一般的に芸能事務所が使っているのは日本音楽事業者協会が作成している
「統一契約書」というものがあるそうです。

芸能界ではよくある契約書を交わしていない状態は何故起こる?

これは契約の内容が「雇用契約」なのか「マネジメント契約」なのかによって大きく変わってくるようです。

「雇用契約」というのは一般的なサラリーマンやOLなどを代表とする労働者としての契約。
この場合、労働基準法に基づき一般的に「労働条件通知書の交付が必要」とされています。

たまにTVでタレントが「僕らは給料制です」なんて言ってるのを見たことありませんか?
彼らは事務所とこの契約を結んでいると考えられます。

次に「マネジメント契約」の場合は必ずしも契約書を交わす必要は無いようです。
これはタレントが業務委託契約を結んでいるからです。
仕事を依頼する相手は、個人事業主であることが条件になります。

この違いについてつらつらと書いていくと膨大な量になるので省略しますが、簡単に言うとこのような違いがあるということです。
個人事業主とは必ずしも契約書を交わす必要は無い!
労働者では無く個人事業主としての契約になるので、建前上両者の関係は対等なものになるとされています。

労働者であるという判決が出た小倉優子の事務所移籍裁判

今回の記事を書くにあたり、色々調べてみていて面白いケースを見つけたのでご紹介します。

2010年11月に小倉優子が当時所属していた事務所「アヴィラ」と起こした移籍騒動。
そう言えばゆうこりんなんか喧嘩してたね。

小倉優子は年内一杯での契約解除を突きつけたが、これを不服とした事務所側が小倉に1億円の損害賠償を求める裁判を起こしたものの、小倉の完全勝利となった。

その判決文には《本件契約でのタレントの地位は、労働者であるため、契約に縛られず自由に辞めることができる》と書かれていた。

【ゆうこりんがこりん星人になる前の昔のキャラクター】
声変わり前なのかな…?

小倉優子は何故労働者と見なされたのか?

働き方が労働者と同様と判断される場合はどういったケースなのか?
以下、厚生労働省労働基準局監督課の見解。

「どういう場合に芸能人を労働者と判定するかは個別具体的になります。つまり、これだという基準はなく、複合的な要因で判断することになりますが、その最たるものは使用従属関係があるかどうか。会社員は仕事を断る自由がないですよね。ですから『この仕事を受けません』という拒否の自由があれば労働者とはなかなか認められにくい。逆に業務命令だ、給料を払っているんだから、と言われると仕事の自由度が低くなりますから、労働者性は強くなります」

発言権が大きく自由が利く、つまり売れているタレントは個人事業主。
売れていないタレントは労働者と見なされるようです。
小倉優子は十分売れていたとは思いますが、事務所との力関係ってことなんでしょうね。

まとめ

つまりは個人の裁量に委ねられるということですね。
だから契約書なんか無くても損害賠償が発生したら吉本興業は容赦なくタレントから取り立てるでしょう。

そして吉本興業というブランドは絶大なものがあるので、契約書なんか交わさなくても次から次へとスターを夢見た若者が集ってくるのです。
そしてそのブランドの恩恵をたっぷりと受けているタレント達は、給料少ないのなんのと不満を述べることはありますが、辞めることは無いのです。

他人を変えることは難しい。
しかし、自分を変えることは容易である。





2019年7月13日 吉本がタレントと契約書を交わさない理由とは?メリット・デメリット はコメントを受け付けていません。 雑記